ISCバルブ エアバイパススクリュー

スズキDF70T(2005年製)のアイドリングとデューティー比の設定に必要なエアバイパススクリュー。数百円の小さなパーツだが、これが船外機のコンディションの要となる。

20年も経過するとさすがにエア漏れが激しくなり、それが原因でエンジンの回転が不安定になる。よって、他のメンテナンスのついでに交換・・と思ったのだが、このパーツ、なかなか外せないクセモノ。
ググってみても、外し方は分からず、「コツが必要」という意地悪な表現がほとんど。思いつく方法をあれこれ試してみたが、やっと確実に外せる方法を見つけたので、同じように困っている人のためにここに記しておきたいと思う。
とは言え、この方法はバイパススクリューを壊す可能性があるので、あくまで交換することが前提。

まずはスクリューをめいっぱい緩めて、中央部に1.5~2.0mmの穴を0.5cmほど開ける。プラスチック製のパーツなので、割らないように注意。その穴に、12~15mmの木ネジをねじ込む。この時、スクリューが供回りするので、端の方を細めのドライバーなどで押さえて、供回りしないようにするのがコツ。ある程度のトルクで木ネジをねじ込んだら、あとは木ネジの頭をペンチ等でつまんで、手前に引き抜けば良い。穴が貫通したり、スクリューが割れたりしなければ再利用は可能だが、不安なので新品に交換したほうが良い。

セットが完了したら、エンジンを始動して、暖機運転。ニュートラル状態でスクリューの位置をドライバーで調整し、デューティー比を1000~1100rpmにする。1000回転を越えると、警告音が鳴るが、デューティー比(ギアを入れた時のエンジンの回転数。アイドリングのままではエンストするので、この設定が必要)のままで10秒経過するとコンピューターが記憶する。
次にエアバイパススクリューを右回しでアイドリングが700~750rpmになるようにねじ込んでゆく。最後にギアを入れない状態でアイドリングスイッチをOFF(ギアを入れずに回転を上げる)にすることで設定完了し、警告音も止まる。この一連の作業を5分以内に行う。