シマノのカウンター付きベイトリール「16グラップラーCT 150HG」。マダイジギングやヒメマスには欠かせないリールだ。このリール以降、グラップラーシリーズはカウンター無しも含めて何種類かの新製品がリリースされているが、個人的に気に入らないのはギア比。何故XGばかり?21年にHG仕様が出たが、残念ながらCTではなかった(炎月にすれば?というツッコミは無しで)。

 16グラップラーCTのギア比は7.0で、実際の巻き上げ量はハンドル1回転あたり50cm平均(カタログ値は70cm)。ハンドル2回転で約1mという覚えやすい設定が気に入ってるし、春先から初夏にかけてのマダイジギングでは、1mを約8~10秒というデッドスローで攻める必要があるので、このリールは丁度良いのだ。いずれにしても、このリールが使える限り、新しいリールは必要ないのだが。

 しかし、このお気に入りのリールにも欠点がある。気温が低い状態だと、液晶が表示されないのである。気温が高くなるといつの間にか表示が出ているが、朝イチのスイッチ・オンで表示が出ないと、気温が20℃の日でも最後までダメなこともある。この現象、購入1年くらいで発症したものなのだが、メーカーでは「他にそんな事例が無い」ということでスルーされてしまった。カウンター部分のパーツ価格は1万数千円。丸ごと交換するにはちょっと高すぎる。自分だけか?と思ったけど、仲間内でも同じ症状が出ているので、やはりこの機種には、何らかの問題がありそうだ。

 ここ数回の釣行で、ついに気温に関係なく液晶表示が出なくなったので、あまり気乗りしないが液晶基盤の清掃をしてみることにした。分解・・というか、破壊に近くなるんだろうなぁと予測していたが、なんと基盤と液晶が納められたハウジングは、いとも簡単に開いてしまった。てっきり防水処理されていると思っていたが、両面テープでくっついているだけ。という事は、カヤックフィッシングで海水を被ったら、内部に浸水する可能性もあるし、水洗いでさえ危険だ。ならば不具合の原因は接触不良かもしれない。
基盤を取り外して、フイルムケーブルを抜き、液晶本体を外す。ケーブルの液晶側が黒っぽくなっているのが怪しい。試しに通電させてスイッチ・オン。フイルムケーブルの付け根を触ると、液晶が点いたり消えたりする。原因はやはり接触不良。基盤とフイルムケーブル接点付近の汚れをきれいに落とし、液晶に熱を当てないようにケーブルをドライヤーで軽く熱してから圧着。液晶が正常に表示されることを確認し、冷凍庫に1時間放置してから再度テスト。氷点下14℃の環境で1時間放置されても、液晶がちゃんと表示された。ハウジングの組み立て時に、合わせ目には新たに両面テープを貼ったけど、水没には耐えられないと思うので、次にメンテナンスする時はしっかりコーキングして、カヤックでも安心して使えるようにします。

グラップラーの液晶。接触不良が原因。