深夜、家を出たら、まさかの吹雪と強風。
ちょっと悩んだが、天気予報に雪マークはひとつも無いのでとりあえず十和田湖に向けて出発。弘前から十和田湖への最短ルートは102号経由だが、冬季は通行止めで温湯と滝沢のゲートが開くのは4月1日の正午。つまり、解禁日の朝に釣りをしようと思えば小坂、樹海ライン経由で現地入りするしかない(あとで分かったことだが、今年は予定より早く102号の通行止めが解除されていた)。

碇ヶ関から先の東北自動車道は50km制限で普通に真冬の様相。小坂の長いトンネルを過ぎれば、きっと雪は止んでる・・と期待したが、むしろ積雪が多い状態。小坂の町は完全に真冬に逆戻り。

コンビニで買い物をして、引き返すべきかどうか悩むが、先日預けてきたカヤックの引き取りや、事前にお願いしていたライセンスの精算もあるので、「釣りは無理かなぁ」と思いつつも先に進むことに。タイヤ痕ひとつない、真っ白の樹海ラインは、時折ホワイトアウトで思わずブレーキを踏むほどの荒天。もはや遭難するんじゃないかな?というレベル。最近の天気予報で、これだけハズレることって珍しい。

それでも後戻りはできないので目的地を目指し、積雪で危なっかしい峠の道をゆっくり進む。いつもなら発荷峠の展望台付近で眼下に十和田湖が広がるのだが、吹雪のためか全く見えず・・。いつもより2倍近い時間を費やしたが、無事に現地到着。

いやー、なんだこの雪は。夜明けの時点ですでに10cmほど積もっている。この季節、急なドカ雪はよくあることだけど、よりによって、なんで今日なの?それでもせっかく来たのだから、ヒメマスに出会いたいと思ってしまう自分は大馬鹿野郎でしかない。雪は周りが見えないほど酷いけど、幸い風は弱い。時計はすでに6時近く、朝イチの好時合は過ぎていたが、とりあえず出艇準備。準備している間にも、雪は容赦なく降り続け、カヤックにどんどん積もってゆく。

6時30分出艇。ヒメマスの群れを探すが、案の定反応は無い。この状況で魚探無反応は、正直心が折れるが、1匹でも釣れてくれたらそれでいい。10m先が見えない状況で、GPSだけを頼りにパドリングを続けると、突然魚探アラームが鳴り始めた。チャンス到来!!大きな群れ発見。

すぐさま仕掛けを投入と、リールのクラッチを切るが・・仕掛けが落ちない。なんと、ガイドが凍って仕掛けを繰り出すことも、リールを巻くこともできないのだ。その間にもヒメマスの群れはカヤックからどんどん離れてゆく。せっかくのチャンスはこんなトラブルのためにあっけなく終わってしまった。

気を取り直してヒメマスの群れを探す。今期は比較的浅場の水深25~30mに群れが多い傾向なので、その水深を中心に探ると、2度目のチャンス到来。水に竿を突っ込んでガイドの氷を溶かしながら、反応のある水深まで仕掛けを投入。自分は群れをカヤックの下に留めるために、竿は2本使う。両方の竿にヒットするまで待って、常時1本の竿にヒメマスがヒットしている状態を維持する。ヒットしたヒメマスが暴れることで、周囲のヒメマスが集まってくるので、カヤックの下にヒメマスが居る状態を長時間維持できる。そして、仕掛けにヒメマスがヒットした状態で放置することで、追い食いを促し、多点掛けも可能になる。少ないチャンスなので、1匹で仕掛けを引き上げるか、5匹釣れるまで待つか?では、最終的な釣果に明白な差が出る。

多点掛けを誘発するためには、最初のヒットの後の「誘い」が必須なのだが、短時間のチャンスの中ではついつい忘れがち。そこで今期は以前このブログで紹介したラトルを試すことにしたのだが、こいつの集魚効果は抜群だった。ヒメマスが暴れれば、ラトルが音を発する。その音に周囲のヒメマスが集まってくるのだろう、放置した状態でも次々に追い食いしてくれる。同じ状況でラトル無しの仕掛けはせいぜい2~3匹だが、ラトルを使った方は針数だけ釣れてくる。この差は大きい。

結局大きなチャンスはこの1回だけで、あとは小さな群れからの拾い釣り。あまりの寒さで、体が限界を訴えるまで、わずか2時間の釣りで終了。上陸後、震えが止まらないほど冷えた体は、車のヒーター程度では温まらず、管理人さんの家に駆け込み、薪ストーブで暖を取らせてもらった。

過酷だったけど、そこそこ楽しめた今年の十和田湖解禁。

帰りは正午のゲート開放を待って(すでに開放されていたので待たなくて良かったのだが)102号経由で帰宅。やはりこのコースが近くていいなぁ。

真水なのでガイドは凍る。PEラインも凍る。
去年よりアベレージは大きめかも。ラトルの組み合わせはバッチリ。

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